この記事では牛肉の各部位がどのように原価計算されているのか、原価計算方法から詳しく解説していきます。
現役の食肉卸業の営業マンである私が、実際にいつもおこなっている原価の付け方まで裏側を含めて全てお見せします。

そもそも牛肉の原価ってどうやって決まっているの?
だいたい、フルセットって何?食肉卸業の人はいつも何をしてるの?
牛肉の部位についても全然知らないんだけど・・・。
そんな方のために、先に結論からいいますね。
牛肉の各部位の原価は、フルセット原価をもとに計算します。各部位の価格は、肉質の評価をそれぞれに割り振り、その評価額の配分によって決定されます。
食肉卸業はそこで付けた評価額(原価)と市況をもとに顧お客様へと利益を乗せて販売します。



あのさ・・・・。
結論を読んでも全然さっぱりすぎるんですが・・・。



大丈夫だよ!(笑)
本編で噛み砕いて分かりやすく説明するね!
私は食肉卸業大手の会社に2011年から新卒で勤めており、2021年現在もお肉のプロとして現役で働いています。食肉業界をもっと活性化させたいという強い想いから当ブログの運営を開始しました。
現場の最前線で働いている現役営業マンが書く、おそらく日本唯一のブログになります。
お肉のことについてより詳しく学びたいという方は以下の記事も良かったら読んでみてください。国産牛肉、輸入牛肉のことについて広く網羅的に学ぶことができます。
≫【まずはここから!】現役のプロが解説!肉リテラシー向上セミナー





それでは詳しく見ていきましょう!
実際に私がいつも現場でおこなっている仕事の裏側のことまで全てお見せします!
牛肉のフルセットについて


まずは牛肉の「フルセット」について説明します。フルセットとは、簡単に言うと牛肉の全ての部位が1つずつ入った詰め合わせパックのようなものです。フルセットを購入すると牛の全ての部位が一緒になってついてきます。
地域によって分割方法は変わってきますが、上の図のお肉が全て詰め合わせてあると考えてもらって大丈夫です。



お店で「黒毛和牛1頭買い」とか見たことありませんか?
これは、このお店がフルセットで牛肉を購入しているということです。
この際、内臓肉は含まれません。内臓には内臓肉の「フルセット」があります。ここでは、枝肉から骨と余分な脂を除去して成型した「牛正肉(ぎゅうしょうにく)」のフルセットのことを指します。



たいちゃん、枝肉ってなんだっけ?
あと、牛肉の部位って何があるの?



次から詳しく解説するよ!
骨と余分な脂がまだ付いた状態のお肉のことを「枝肉」という
生きている牛が私たちの食卓に並ぶようなお肉になるまでには様々な工程をクリアしなければなりません。枝肉もその工程の一つです(上の図の写真中央が枝肉の写真です)。
枝肉とは生きている牛が、と畜場でと殺され、半分に2分割されたもののことをいいます。この枝肉を成型すると部分肉になり、私たち食肉卸業者の元へと届けられます。



つまり、枝肉は生きている牛を半分にしたものだから、牛1頭から枝肉は2本とれることになるよね。
この枝肉1本分のフルセットのことを「半頭セット」、枝肉2本分・牛1頭分のことを「1頭セット」と業界では呼びます。
その後、私たちが末端のお客様へ販売し、そのお客様が食卓に並ぶような「精肉」に成型・加工して販売します。
生きた状態の牛のこと。農場からと畜場へと、と畜予定の前日までに輸送される。
生体から頭・内臓・手足・皮等を除去して2分割にしたもの。骨と余分な脂はまだ付いている状態。
骨と余分な脂を除去して分割したもの。基本的には部分肉規格13部位に分けられるが地域によって分割方法や脂の厚み等が変わってくる。
私たちが普段スーパー等で購入するお肉のこと。末端のお客様が私たちのような食肉卸業者から部分肉を購入し、それを成型・加工して販売する。
部分肉規格13部位について
何回も登場している、部分肉規格の13部位についても簡単に説明します。枝肉を規格にのっとって分割したものを部分肉と呼びます。部分肉は大きく分けて下の図の13部位に分けることができます。
各部位の名称 | サシの入り方 | 柔らかさ | 焼肉・ステーキ | 煮込み | すきやき しゃぶしゃぶ | レビュー記事へ |
![]() ![]() ネック | 期待できない | 非常に硬い | 硬くて不向き。 切り落としや ミンチに使用。 | 煮込むと トロトロに。 | 基本的には不向き。 ネックを落とした 場所による。 | 詳細を見る |
![]() ![]() かた | ミスジは良く入る | マクラ側は硬い。 ウワミスジや肩サンカクは 比較的に柔らかい。 | ミスジ、ウワミスジ、 肩サンカクは最適。 マクラ側は硬くて不向き。 | マクラ側は 煮込み用として。 | スライス材として 最適な部位。 | 詳細を見る |
![]() ![]() かたロース | ザブトン部分は 最高のサシ | ネック側は硬いがリブロース側は柔らか | 焼肉にすると歩留まりが 悪く原価が上がる。 肉質はキメがやや粗いが最高。 | 煮込みには不向き。 | スライス材として 最適な部位。 | 詳細を見る |
![]() ![]() リブロース | やや粗いサシだが 良く入る | カブリは少々硬いが芯は非常に柔らかい | サーロインと並んで ステーキに最適。 盤が大きいので一枚が 大きくなるのがデメリット。 | 煮込みには不向き。 | スライスにも使用可。 盤が大きくなることが デメリット。 | 詳細を見る |
![]() ![]() サーロイン | 良く入る部位 | ヒレに次いで柔らかい部位。 筋肉と表面脂肪との境にあるスジは硬い。 | ステーキの王様。 ステーキと言えばサーロイン。 | 煮込みには不向き。 | スライスしても 最高の肉質。 歩留まり多少悪い。 | 詳細を見る |
各部位の名称 | サシの入り方 | 柔らかさ | 焼肉・ステーキ | 煮込み | すきやき しゃぶしゃぶ | レニュー記事へ |
![]() ![]() ヒレ | 等級によって まちまち | 牛肉の部位の中で最も 柔らかい部位。 | ヒレの厚切りステーキは 至福の一言。 最高級にふさわしい。 | 煮込みには不向き。 | 全くもって不向き。 | 詳細を見る |
![]() ![]() かたばら | 良く入る | 三角バラはサシも入り 柔らかい。ブリスケは 部分によっては硬め。 | 特上カルビと言われる部位。 特に三角バラは焼肉に 最適な部位。 | 煮込みには不向き。 | できないこともないが 不向き。ブリスケは スライス可。 | 詳細を見る |
![]() ![]() ともばら | ヘッドバラ部分は最高のサシ。 | 主にカルビ材として 使われる部位。 サシも入るので柔らかい。 | 歩留まり非常に悪いが 焼肉と言えばこの部位。 ヘッドバラは非常に貴重。 | 煮込みには不向き。 | できないこともないが 不向き。 | 詳細を見る |
![]() ![]() うちもも | 等級や肥育環境に非常に左右される | 大モモと小ももとで 柔らかさは異なる。 ローストビーフに最適。 | モモ抜けが良いと ステーキにも。 | 煮込みには不向き。 | できないこともないが 不向き。 | 詳細を見る |
![]() ![]() しんたま | モモの中では比較的にサシが入りやすい | トモサンカクはモモの中で 最もサシが入りやすい部位。 | 歩留まり悪いが トモサンカクは 焼肉に最適。 | 煮込みには不向き。 | できないこともないが 不向き。 | 詳細を見る |
各部位の名称 | サシの入り方 | 柔らかさ | 焼肉・ステーキ | 煮込み | すきやき しゃぶしゃぶ | レビュー記事へ |
![]() ![]() そともも | 等級や肥育環境に非常に左右される | ハバキはスジが多く 硬い。ナカニクは ローストビーフ等に 最適。 | モモの中では 最も硬い。 | 煮込みには不向きだが ハバキは例外。 | モモの中では 最もスライス向き。 | 詳細を見る |
![]() ![]() らんいち | モモの中では比較的にサシが入りやすい | サーロインと繋がる部位。 モモステーキに最適。 | モモの中で 最もステーキに 向いている。 | 煮込みには不向き。 | できないこともないが 不向き。 | 詳細を見る |
![]() ![]() すね | 期待できない | スジが多く、ただ焼くだけ では困難な硬さ。 | 硬くて不向き。 | ネックと同じく 煮込みに最適。 | 全くもって不向き | 詳細を見る |



聞き慣れない言葉が多すぎるなあ・・・
図の中で登場している聞き慣れない部位に関しては以下の記事で詳しく解説していますので、良かったら読んでみてくださいね。
国産牛肉の希少部位について徹底解説!あなたはいくつ食べたことがありますか? (執筆中)



それではここまでの内容をまとめますね!
ここまでのまとめ
フルセット価格の決定方法とは?
それでは次に、フルセットの価格(原価)がどうやって決定するのかを解説します。この価格が決定しなければ、お肉の原価を計算することができません。
フルセットの価格は枝肉の価格と正肉歩留まりによって計算され決定します。また、枝肉の価格は市場のセリによって決定され、需要と供給によって大きく左右されます。



正肉歩留まり?セリ?
順を追って説明求む!



OKだよ!!!
次から詳しく解説するね!
フルセット価格は枝肉価格と正肉歩留まりによって決定する
フルセットの価格は枝肉の価格と正肉歩留まりによって決定します。枝肉価格から歩留まり計算をして、算出された価格がフルセットの価格、つまり私たちが販売するお肉のおおもとの原価になってきます。



厳密には、枝肉から加工する際に加工賃や手数料が発生します。
それがフルセット価格に上乗せされるんですが、ここでは簡単に説明するために省略しますね。
枝肉価格から歩留まり計算をしてフルセット価格を出すには下の手順でおこないます。価格は全て税抜きで計算します。
- 仮に枝肉価格を1000円 / ㎏・正肉歩留まりを50%とします。
- 計算方法は「1000(枝肉価格)÷0.5(正肉歩留まり)=2000(フルセット価格)
- つまりこの枝肉のフルセット価格は2000円 / ㎏ということです。
- この価格に正肉の状態のフルセット重量をかければ牛正肉全体の価格が決定します。
- 仮にフルセットの重量を100㎏とすると、この牛のフルセット価格は「2000(フルセット価格)×100(フルセット重量)=200,000(円)」となります。



つまり、お肉の部位が全部入った詰め合わせパックの価格が200,000円ってことでOK?
それでこれが枝肉1本分の価格だから、半頭セットの価格ってこと?



さーちゃん、完璧だよ・・・嬉泣
成長早すぎるゼ・・・泣
次は枝肉価格が決定するセリについて解説するね!
枝肉価格は市場のセリによって決定する
枝肉価格は市場のセリによって決定します。セリとはいわゆる競売のことです。
枝肉に対して私たちのような業者が価格を出し合い、最も高い価格を出した業者にその枝肉が競り落とされます。
セリは各地域にある食肉市場で月~金曜日の平日に毎日開催されます。



朝早くに魚市場で魚を競っている場面を見たことがある人も多いのでは?
牛肉も基本的にはあんな感じと思ってもらってOKです!
また、枝肉価格は畜種によっても当然価格が大きく変わってきます。最高級の黒毛和種は最高級の価格に、安価な乳用種は安価な枝肉の価格になります。
牛の畜種に関しては以下の記事で詳しく解説しています。興味があれば読んでみてください。
≫【必見】国産牛と和牛の違いとは?品種ごとの特徴についてもプロが徹底解説!
また、畜種だけではなく市況にも枝肉価格は大きく左右されます。
- 大型連休前、お盆、年末年始など、人が集まる時は需要が高まり枝肉価格は高騰する。
- 1月・2月・6月は業界では閑散期とされており、例年枝肉価格は下落傾向。
- しかし、近年は様々なコスト高の影響で閑散期でも枝肉価格の大幅な下落は見られない。



確かに年末年始でお金たくさん使うから、1月・2月は財布のひも締めちゃうよね。



お肉に限らず、モノの相場は全て需要と供給で決まってくるね!
正肉歩留まりはA~Cの三段階に分けられる
正肉の歩留まりについても少し触れておきます。正肉の歩留まりは「歩留まり等級」といって、A~Cの3段階でランク付けされます。
- Aランク:歩留まり72%以上
- Bランク:歩留まり69~72%未満
- Cランク:歩留まり68%未満



歩留まりってなんだっけ(ド忘れ)?



歩留まりとは枝肉から骨や余分な脂を除去して、どれくらい食べられるお肉が取れるかの割合のことだったよね!


このA~Cというランク付けはあくまでお肉が枝肉からどれくらいとれるかの割合を示しています。なので味の評価は全く含まれていません。



Aランクって聞くと、凄く美味しそうなお肉に感じるけど味とは関係ないんだね!



ここは結構誤解が多いところだよね・・。
下のまとめ記事でも触れているので興味があればどうぞ!
≫【全9章】現役のプロが解説!国産牛肉についての総まとめ。肉リテラシー向上セミナー
ここまでのまとめ
実際にフルセットを部位別に評価付けしてみよう
それでは、フルセットを部位別に評価付けして、実際に原価をつけていってみましょう。フルセットの状態の牛を、各部位別に再度原価付けしていく作業のことを、業界では「セットバラシ」といいます。



評価付けっていうのは、お肉を実際に検品しながらおこないます。
良いお肉には高い評価をつけて原価を高く、あまり良くないお肉には低い評価をつけて原価も低く設定することです。



良いお肉とそうでないお肉の基準ってどうやって決めるの?



これは経験によるとことが大きいんだよ!
牛肉は機械ではなく生き物だから、当然個体によってばらつきがあるんだ!同じ等級でも肉質は異なってきます。
なので市場動向や在庫状況を考えながら、肉質にあった評価を付けていくんだね。
ここが腕の見せ所みたいなところは正直ある(笑)
ここでは実際に私が普段おこなっている方法をそのまま再現しながら説明していきます。難しく感じるかもしれませんが、なんとなくこうなるんだなあ、くらいで満点です!
フルセットの国産牛を部位別にバラすためには、各部位の重量をそれぞれ把握する必要があります。
そのために、枝肉を正肉へと加工した時に発行される「加工明細書」が必要です。





文字が小さくてごめんなさい!
拡大できる人は見てみてね!
この加工明細書には、各部位の重量が記載されています。これをもとに、フルセットを各部位別にバラシていきます。画像は実際に私が使用している明細書です。



正肉に加工した際にフルセットの原価も合わせて出るので、これも控えておきましょう!あとで必要になります。
次に、各部位の重量をエクセルに入力していきます。これも実際に私が普段使用している計算表になります。
ここでは、仮にフルセット原価を3000円に設定します(単位は㎏/円)。





これは各々フォームは異なりますが、計算方法はどこも同じです!
指数は無視してもらって構いません(笑)
上の表の数値は、各部位の重量をすでに打ち込んでいます。


ステップ3で実際に部位ごとに価格(評価)をつけていきます。
このお肉ならこれくらいで売れるだろうなあ、市場動向的にこの肉質のお肉は〇〇〇円で売れるだろう、この部位は在庫が多いから△△△円でしか売れないなあ等、色々な状況を考えながら売価を設定していきます。



これを「仮売価」といいます。
この仮売価をエクセルの「売価」の部分に入力していきます。
注意点として、私たちの商売の単位は「㎏」です。
なので、セット単価3000円というのは「3000円/㎏」ということになります。





これでひとまずセットバラシは終了です!
次からはこの表を詳しく解説していきます。
仮売価が原価を上回れば利益が出るということ
それでは、もう一度原価表を見てみましょう。





ここでは、仮売価が原価を上回っています!
なのでこの差額が利益となるわけですね。


仮売価金額合計573,571円-原価合計558,300円=15,271円(利益)



この仮売価で全部売り切った場合、この牛の利益は15,271円ということになります。
まあ、そう上手くはいかないけどね・・・(小声)
逆に仮売価が原価を下回った場合は赤字となる
では、逆パターンとして赤字になるのはどういう時か見てみましょう。





ここでは仮売価が原価を下回っています。
仮にこの仮売価で全て売った場合、差額が赤字となります・・。
実際にこんな売り方したら・・・(恐)


仮売価金額合計516,280円-原価合計558,300円=▲42,020円(赤字金額)



実際にはここまで極端なことはほとんどありません。
しかし相場が異常に高騰している時などは売価に転嫁しづらく、利益がほとんど出ないこともしょっちゅうです・・・。
ちなみに、ここで挙げてる仮売価はめちゃくちゃリアルなものです(汗)
見る人が見たら一発で分かります・・・(汗汗)
フルセット購入できないお客様のために私たちはバラシをおこなう
ここまで読んでいただいた読者の方には、次のような疑問が浮かんだ方も多いのではないでしょうか?



なんでわざわざこんな面倒なことしてフルセットをバラす必要があるの?
そのままフルセットで売っちゃえばいいんじゃない?



ごもっともです!!!
でも、そう簡単にはいかないんだよ・・・。
当然、私たち業者の人間もフルセットで販売した方が手間もかかりませんし、リスクもありません。しかし、そう上手くもいかないのが商売というものです。
ここで少し想像してみてください。自宅の冷蔵庫に何もない状態であれば毎日おかずモリモリのお弁当を買ってもいいかもしれません。
しかし、自宅に作り置きのおかずもあって、炊き立てのご飯も予約していたとしたら?唐揚げのためだけにお弁当を買うことはありませんよね?
多くの方は唐揚げを単品で購入して帰るのではないでしょうか?



唐揚げだけが欲しいのに、食べないおかずがついたお弁当を1000円出して買わないよね。
お金ももったいないし、冷蔵庫におかずもあるわけだし・・。



そう!つまりそういうことです!
私たちのお客様も毎回フルセットを購入できるわけではありません。ましてや牛肉のフルセットは何十万円、時には100万円を超えるという大金になります。
それに、フルセットを購入するということは必要のない部位まで一緒に購入するということです。
これはお客様にとって在庫を抱えるリスクとなります。
当然、業者からしても在庫リスクになるんですが・・・(小声)
バラシの評価は自由に設定することができる
フルセットの各部位ごとのバラシ評価は、実は自由に設定することもできます。たとえば1000円の唐揚げ弁当を例にとると次のように極端な評価をつけることも可能です。
- 唐揚げ⇒900円
- ポテサラ⇒10円
- 白米⇒80円
- スパゲッティ⇒10円 合計1000円
このお弁当のおかずをそれぞれバラして販売するとなると、唐揚げ以外は激安評価なので目をつむっていても売れるでしょう。しっかりと相場で販売できれば大きな利益にもなります。
しかし、高く評価をつけた唐揚げが売れ残ってしまったら?相場以下でしか売れなかったら?
これはお弁当全体として損失を出してしまうことにもなりかねません。おかずをバラさずにお弁当のままで売っていればそのリスクもありませんし、在庫リスクも0になります。



だから牛肉もフルセットで販売した方が売る側としてはリスクがないんだね!



そうなんだ!だからフルセットをバラす際は基本的に相場と肉質に沿って評価付けをすることがほとんどです。
ただ、この自由に評価付けできるっていうところに儲かる理由があったりします(笑)
ここが卸売り業者が利益を出すポイントなんだよ・・・(小声)
上の唐揚げ弁当の例にとって、実際に牛肉を評価付けしてみましょう。


ここでは、サーロイン(上の例では唐揚げ)を極端な売価に設定して、残りの部位の評価を激安にしてみました。この極端な状態でも、仮売価が原価を上回っているので利益は出ています。



もしサーロインをこの売価で販売して、残りの部位も相場で売れたら(仮売価はあくまで仮です)?
超儲かります!!!(笑)
まあこんな極端なことはありませんが・・。
ここまで極端な例はありませんが、このように私たちがお客様から利益を頂いていることは本当です。原価を自由に設定できるということは、お客様には当然原価は分かりません。
ここが営業マンの腕の見せ所です。いかに相場より高く売るか、いかにお客様に納得して買っていただけるか。日頃の信頼関係がモノをいう場面です。



お客様と信頼関係が築けている営業マンは、しっかりと利益を頂戴しながらもきちんと販売してきます。
商売とは信頼関係が全てです。ここが営業の難しいところであり、面白いところでもありますよね。
お肉をお取り寄せする際はボッタくりサイトに注意
このように、私たち業者の人間はお肉の原価が大体ではありますが、手に取るように分かります。
なので、お肉のお取り寄せサイトなどを見ていると



めちゃめちゃ利益取ってるなあ・・・!!!
と思ってしまうことが多々あります。当然、マーケティング技術によるものなのでしょうが、業者から見ればそういったサイトからは絶対に購入しません。
そんな私から見ても、非常に割安感のあるお取り寄せサイトを最後に紹介させていただきます。
お肉の直売所「フロムファーム」は割安感のあるお取り寄せサイト


こちらのサイトはプロの業者目線から見ても非常に割安感のあるものでした。ポイントしては以下の3つになります。
- 体験お試しセットが非常に割安感がある
- 送料無料である(送料込み価格)
- 経産牛ではなく、未経産の黒毛和種をちゃんと使用している



実際に私も取り寄せてみましたが、包装も丁寧で肉質もしっかりとしていました。普段使いもできそうなお取り寄せサイトだと感じます。
実際にお取り寄せした際のレビュー記事はこちらになります。興味を持たれた方はこちらからどうぞ。
≫(執筆中)
まとめ:牛肉の原価計算について
それではまとめになります。



たいちゃん、こんなに具体的な数字まで出しちゃって大丈夫なの・・・?



身バレの恐怖に怯える、今日この頃です・・・
今後も(身バレの恐怖に怯えながら)、「ニクラブ」でしか読めない記事をたくさん更新していきます。楽しみにしていてくださいね。
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。当ブログでは現役のお肉の営業マンがお肉のことについて徹底的に解説しています。
国産牛肉・輸入牛肉のことについてさらに詳しく知りたい方は以下の記事を読んでみてください。お肉について徹底的に網羅している記事になります。
≫【まずはここから!】現役のプロが解説!肉リテラシー向上セミナー


ここが分かりづらかった、ここは間違っている等のご意見があればお気軽にお問合せください。Twitterも毎日アクティブに運用しておりますので、そちらからのDMでも構いません。
同業他社の方、精肉関係者の方からのお声も心からお待ちしております。業界の活性化に向けて一緒に歩んでいくことができれば何よりです。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
合言葉は「肉リテラシーを高めて「真に」美味しく幸せなお肉ライフを」。



今日も最高のお肉ライフをお過ごしください!
本日もありがとうございました!!!