
ウルグアイ産のお肉って聞いたことないけど美味しいの?
なんだか、不安だなあ・・・。
そもそも、どんな特徴があるの?危なくないの??



最近、外食店やスーパーで見かける地域も出てきたウルグアイ産の牛肉。
でも実際のところ、どんなお肉なのか知っている人はほとんどいないはず!
この記事を読めば、そんなウルグアイ産のお肉のことが丸分かりだよ!
この記事では、ウルグアイ産の牛肉の特長と実際に食べてみた感想が分かります。
- ウルグアイ産の牛肉とは、そもそもどんな牛なのか知りたい人
- ウルグアイ産の牛肉が美味しいのか、まずいのか率直な意見が知りたい人
- ウルグアイ産牛肉の安全性を知りたい方
- ウルグアイ産の牛肉を実際に食べてみたい方
現役のお肉の営業マン(勤続10年以上)であり、世界中のお肉のことを知り尽くした私が実際に食べてみて率直な感想をレビューしていきます。
- ウルグアイ産牛肉の特長
- ウルグアイ産牛肉の安全性について
- プロから見たウルグアイ産牛肉の味について
- ウルグアイ産牛肉の購入方法
先に結論からいうとこのようになります。
ウルグアイ産牛肉はグラス臭(牧草臭)が強い赤身のお肉である。赤身嗜好の方には最適。味を求める方には米国産がおすすめ。一般的に牧草肥育のグラスフェッドビーフは臭みが強い傾向あり。
私の簡単なプロフィールはこちらになります。
レビューなんてどうでもいいから、今すぐにでもウルグアイ産牛肉を食べてみたいせっかちさんは下のリンクからジャンプできるので良かったら覗いてみてください(笑)
まずはウルグアイ産の牛肉がどんなものか、簡単にみていきましょう。
ウルグアイ産の牛肉とは?特徴も解説
長年、日本の食卓を支えてきた輸入牛肉と言えば、豪州産と米国産がメインでした。
特に安い牛肉と言えば豪州産を思い浮かべる方も多いでしょう。
しかし、近年は豪州産牛肉の価格高騰、輸入量の減少が業界では大きな問題とされています。



スーパーのお肉が値上がりしていて、実感が湧いている人も多いはず・・。
豪州産の牛肉の価格が上がっている理由についてはこちらの記事の第3章で解説しているので良かったら読んでみてください。
≫【全9章】現役のプロが解説!輸入牛肉についての総まとめ。肉リテラシー向上セミナー
そういった状況の中、近年豪州産に変わる産地としてウルグアイ産牛肉の注目度が大きくなっています。
オーストラリア産と米国産が主力の輸入牛肉に「新勢力」が登場した。2019年2月に19年ぶりに解禁されたウルグアイ産だ。輸入牛肉全体に占める数量はまだまだ少ないが、さっぱりした赤身が特徴とあって大手ステーキ店が取り扱いを始めた。
(中略)ウルグアイ産牛肉を巡っては2000年に口蹄疫(こうていえき)が発生したため00年10月以降、輸入を停止していた。
引用元:日本経済新聞
ウルグアイってそもそもどんな国?


ウルグアイの正式名称は「ウルグアイ東方共和国(Oriental Republic of Uruguay)」。南米の国であり、首都は「モンテビデオ(Montevideo)」。日本のほぼ真裏に位置します。
- 人口約300万人超
- 1200万頭以上の牛、800万頭以上の羊を放牧
- 国土の86%以上が農場と牧草地



人よりも圧倒的に牛とか羊の方が多いんだね!



国土の86%以上が農場と牧草地だからね!
日本の真裏からチルドでお肉が届くなんて、冷静に考えて凄いことだよね!
ウルグアイでは全人口よりも飼われている牛の方が圧倒的に数が多く、それだけ牛肉を食べる国民性だということが分かります。
ウルグアイ産牛肉の特徴:クリーンな環境で放牧された牛肉
次にウルグアイ産牛肉の特徴について簡単に解説します。
- 国土の86%以上が農場と牧草地という、牛にとっては最高の環境で育った牛肉
- 成長ホルモン剤不使用、残留抗生物質無し
- BSE未発生国であり100%トレーサビリティ可能
牛のトレーサビリティ制度についてはこちらの記事でも詳しく解説しています。



成長ホルモン剤って何?



簡単にいうと、牛を早く大きくして早く出荷するための薬だね。
その方が農家も出荷の回転が速くなるから儲かるんだ。
それを不使用なので、消費者イメージとしてはプラスだよね。
それでは、レビューを書いていきます。
ウルグアイ産の牛肉を実際に食べてみた感想
今回はウルグアイ産の牛ヒレ肉を実際に食べてみました。






こちらが実際のウルグアイ産牛ヒレ肉です。正式名称はテンダーロイン(tenderloin)。
レビュー内容は以下の5項目に分けて5段階で評価しています。
各項目について詳しくみていきましょう。
肉の柔らかさ:評価3 食べる部位によっては固く感じる。焼き方を工夫する必要あり。


今回実食した「ヒレ(フィレ)」という部位。ここは牛肉の中で最も柔らかい部分になります。なので、厚切りにしても十分に柔らかさを感じられました。


しかし、ヒレ以外のモモやカタなどはもともと肉質が固い部位。これらの部位は火を通しすぎると固くなりがちです。
これらの部位を食べる際には、余熱でゆっくり火を通すなど焼き方の工夫が必要だと感じました。



以前モモ肉を食べましたが、少々固く感じました。
でも、ローストビーフには最適な部位です!
そもそも、肉の固さというのは牛の運動量が多い部位か少ない部位かで決定します。詳しくはこちらの第3章で解説しています。
≫【全9章】現役のプロが解説!国産牛肉についての総まとめ。肉リテラシー向上セミナー
肉の臭み:評価1 グラス臭(牧草臭)がかなり強い。しかし臭くて全く食べられないというほどではない。




実食したヒレ肉は牧草肥育。専門的には「グラスフェッドビーフ」といいます。
グラスフェッドビーフはヘルシーで健康的なイメージがある一方、どうしても牧草特有のニオイがお肉に移ってしまいます。
今回食べたウルグアイ産のヒレ肉も例外ではなく、やはりグラス臭(牧草臭)がかなり強く感じられました。
しかし、全く食べられないような嫌なニオイや臭みではなく、ウルグアイ産牛肉特有の香りと言った方が近いかもしれません。
豪州産やニュージーランド産のグラスフェッドとはまた違うグラス臭を感じました。



焼きすぎると臭みが出てしまうので、写真のようにレア~ミディアムレアくらいの焼き加減が個人的にはオススメです!
グラス臭が強いお肉はどうしても好みが分かれてしまいます。グラス臭の無いお肉を食べたければ米国産牛肉を強くオススメします。
米国産牛肉は100%穀物肥育のため、脂に旨味があり日本人好みの肉質とされています。
また、黒毛和牛のお肉は当然ながらグラス臭は皆無。とろけるような食感を楽しむことができます。まさに至福のひと時。
下の記事で紹介しているサイトからは黒毛和種だけではなく、最高級の牛タンも購入することができます。もし興味があったらこちらも合わせて読んでみてください。
≫【プロが実食】お家焼肉で牛タンモトだけを食べたい!タンモトの特徴・購入方法まで徹底解説!


肉のサシ:評価1 サシは全く期待できない。赤身嗜好の方向けのお肉。


実際のお肉の写真を見てください。サシ(霜降り)は全くなく、完全な赤身のお肉であることが良く分かると思います。
そのため、口に入れた瞬間のとろけるような食感は皆無です。
しかし、逆を言えば赤身のお肉が大好きな方には絶好のお肉であると言えます。
- 年齢を重ねるごとに、霜降りのお肉が胃もたれするようになった方
- ガッツリとお肉をたくさん食べたい方
- ヘルシー志向の方
このような方にはぴったりでしょう。



噛めば噛むほどお肉本来の旨味を味わうことができるね!
豪州産との価格比較:評価4 現状の相場では割安感がある。
2021年12月現在、豪州産のお肉の卸価格は史上最高値に達し、価格が高騰しています。
輸入牛肉の卸売価格が過去5年の最高値水準に上昇している。生産量の減少や、中国の旺盛な牛肉需要などを背景に、オーストラリアや米国など主要国での現地価格が高騰。国内での小売価格もじわり上昇している。
(中略)
農畜産業振興機構によると、直近5月のオーストラリア産肩ロース(冷蔵、牧草肥育)の部分肉卸売価格は前年同期比17%高の1キロ1123円、安価なバラ肉としてスーパーからの引き合いが強い米国産ショートプレート(冷凍)は同67%高の1087円と高騰。いずれも過去5年の最高値水準となっている。
引用元:YAHOO!JAPANニュース
もともと価格は豪州産≒ウルグアイ産でしたが、現在は豪州産>ウルグアイ産となっています。
そのため肉質が似通っているウルグアイ産の牛肉は、豪州産牛肉の代替として十分に成り立つと私は考えています。



味が変わらないんだったら、スーパーで豪州産とウルグアイ産が並んでると安い方を手にとっちゃうかもね。



現状は価格メリットが十分にあります!
あとは聞き慣れない産地が消費者に与えるマイナスイメージをどうやってプラスに変えていくかが課題だね!
米国産との価格比較:評価5 価格メリットは非常に大きい。
豪州産と同じく、現在米国産の牛肉も異常と言えるくらいの価格となっています。大手牛丼チェーン店が牛丼の値上げを発表したことは記憶に新しいことと思います。
新型コロナウイルスの感染拡大で生産と流通が不安定になっていたところに、アメリカや中国の経済活動再開で需要が高まったことで、輸入牛肉や原油の価格が上昇している。
こうした状況を受け、大手牛丼チェーンの『吉野家』は10月29日、主力メニューの値上げに踏み切った。「牛丼並盛」の店内飲食価格は、改定前の387円から426円に39円値上げ。牛丼、牛カルビ丼、豚丼の「特盛」へのサイズ変更は+352円となり33円値上げ、「超特盛」へのサイズ変更は+473円となり55円値上げとなった。「朝牛セット小盛」は、437円から481円に改定された。
引用元:Foodist
これは外食チェーン店に限った話ではなく、当然私たちの食卓にも大きなダメージを与えています。
アメリカ産のショートプレート(バラ肉)の卸売価格は2021年4月以降、1キログラム当たり1000円を超え、6~8月は1100円台になった。1年前は600円台で推移していたので2倍近くの上昇だ。タン(冷凍品)の価格も2021年8月に前年同月比で78.1%増となるなど、部分肉の価格は軒並み上がっている。
引用元:東洋経済ONLINE
一方、今回実際に食べてみたウルグアイ産の牛ヒレ肉の原価は、米国産と比べて約3分の1ほど(2021年12月現在の相場)。
安価なランプなどのモモの部位でも、米国産と比べて約3割ほど安価な価格となっています。
- ヒレ肉は米国産に比べて約3分の1程度
- サーロインも米国産に比べて3分の1程度
- リブロースも米国産に比べて3分の1程度
- 安価なステーキ材としての肩ロースは約3割安
- モモ肉などの安価な部位も2~3割安



あくまで2021年12月現在の相場なのでご注意ください!
繰り返しますが、現在は異常相場です!
このように、日本がメインとしている産地(豪州産・米国産)のお肉が軒並み高騰している現在、安価な牛肉としてのウルグアイ産牛肉は非常に価値のあるものであると思います。



こんなに価格が違うんだね!!!



価格のメリットは確かに大きいね!
でも正直な話、味の面では米国産の足元にも及ばないよ・・・。
用途やシーンによって使い分けられるようになるといいね。
ウルグアイ産牛肉の購入方法について:楽天市場がオススメ!
ここまで読んでいただいた読者の方で、実際にウルグアイ産の牛肉を食べてみたくなった方もいらっしゃるのではないでしょうか?



興味はあるけど、近くのスーパーに売ってないよ・・・。
実際のところそうなんです。近年輸入量も増え、取り扱う企業も多くなってきたとはいえ、まだまだ日本ではマイナー産地の部類。
関東や大都市圏の大手量販店では見かける場面もあるかもしれませんが、地方での普及は進んでいないのが現状です。



実際に私が住んでいる福岡でも、ウルグアイ産の牛肉が並んでいるスーパーはほぼありません。
でもさ、繰り返すけどグラス臭結構強いよ?(笑)



それでも食べてみたいの!!!
そんな方のために、楽天市場をおすすめします。
下で紹介している部位は今回私が食べたものと同じ、「ヒレ肉」です。牛の部位の中で最も柔らかく、固いスジは皆無です。
仮に焼きすぎたり、焼き方に失敗したとしても固くなりづらいのが特徴です。
ヒレ肉以外にも、ローストビーフに最適な牛モモのブロックも販売しています。
地球の真裏からやってきたお肉って、ちょっと興味が湧きませんか??
興味がある方は覗いてみてくださいね。
ウルグアイ産牛肉の安全性について:日本に輸入される際は厳しい基準をクリアしているので問題なし!
ここでちょっと気になるのが、ウルグアイ産牛肉の安全性。まだまだ耳なじみのない産地なので不安のある方も多いはず。
結論としては安全性に問題はありません。そもそも、ウルグアイ産に限らず外国から日本へと輸入されるお肉は、厳しい基準をクリアした上で輸入されます。



危険なお肉だったら輸出認定自体がおりないし、流通することもないよね!
そもそもお肉の安全性って、輸入する国よりも日本国内でそれを処理する業者の衛生管理面の方が問題だったりします。
なので、お肉を購入する際は信頼できるお店や業者から購入することが大事なのです。
まとめ:価格メリット大のウルグアイ産牛肉は今後の動向に要注目!
ここまでのまとめになります。
2021年12月現在、日本でのコロナウイルス感染は落ち着いてきたように思えます。しかし、世界的に見れば欧州、米国での感染拡大は続いており、新しいオミクロン株の脅威もすぐそこまで迫っています。
このように、世界的な情勢不安はまだまだ続くことが予想され、牛肉の価格が落ち着くかどうかも全く分からない状況です。
このような世界情勢のため、価格メリットのあるウルグアイ産の牛肉は、今後広く普及していくポテンシャルを秘めているのです。
一度でいいので、実際にあなたの舌でウルグアイ産の牛肉を是非とも味わってみてください。好みの差はあれど、地球の真裏からやってきたお肉は一見の価値ありです。



スーパーで米国産や豪州産のお肉を買ってきて自分で食べ比べても面白いかもね!
それでは最後までお付き合いいただき、ありがとうございました。当ブログでは現役のお肉の営業マンがお肉のことについて徹底的に解説しています。
お肉のことについてさらに詳しく知りたい方は記事本編でも紹介していますが、以下の記事を読んでみてください。国産牛肉や輸入牛肉について徹底的に網羅している記事になります。
≫【まずはここから!】現役のプロが解説!肉リテラシー向上セミナー


また、「ニクレポ」では現役のお肉のプロが様々なお肉を徹底レビューしています。こちらも興味がありましたら合わせて読んでみてください。
≫ニクレポ


ここが分かりづらかった、ここは間違っている等のご意見があればお気軽にお問合せください。Twitterも毎日アクティブに運用しておりますので、そちらからのDMでも構いません。
同業他社の方、精肉関係者の方からのお声も心からお待ちしております。業界の活性化に向けて一緒に歩んでいくことができれば何よりです。
それでは、また次の記事でお会いしましょう。
合言葉は「肉リテラシーを高めて「真に」美味しく幸せなお肉ライフを」。



今日も最高のお肉ライフをお過ごしください!
本日もありがとうございました!!!